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「Vers la Chance/幸運に向かって」ー Giulio Cantoreとのライヴ

僕らは全て忘れなきゃいけない / 地平線も、夜も / 全てを埋める方法をちゃんと知っていれば / 見返りに全てを与えることができるだろう

別の人生という考えに傾く / 僕らの影を追うことなく/ 幸運に向かって歩む僕らにとって/ 沈黙は良い前兆なんだ

この一切れのオレンジを味わってごらん / 太陽が無の怖さを知っていても / 夜が太陽の片側でも / 太陽は混ざってはいない

僕らの命は限られているから / 人生が僕らを愛する人達から遠ざけるから / 愛が欠けてしまうから / 記憶を取り戻すんだ

僕は愛する

僕らは こよなく愛する / 全ての景色を開き / 勇気を生み出してくれる / 苦くて濃厚な 野生のライラック・ワインを

だけど ちからは いつも静かに 見ている / 生きることを拒否して彷徨う/ 人生の色んな顔が  / 川の上を通り過ぎるていくのを

思い出してくれ、失われた日々を / 夢見たイタリアを、無邪気さを / 意味を見つけるための旅を / 明日、他の人に心を開くために

僕らの命は限られているから / 人生が僕らを愛する人達から遠ざけるから / 愛が欠けてしまうから / 記憶を取り戻すんだ

僕は愛する

イタリアの道

イタリアを思い浮かべていたけど、低い空に覆われた地中海、そして骨の髄まで染みるようなじめじめした寒さなど、たとえ冬であっても、まさかこんな天気は想像していなかった。 プロヴァンスの小さな丘陵地帯を通る長い旅の後、コートダジュールの懸崖からリグーリア州を経由してジェノヴァまで、ヘアピンカーブを何時間も乗り越えなければならなかった。 ジェノヴァでは、暖房があまりきかない宿で 2 泊した後、この地域では避けられないグルテン(小麦粉)過多の食事ばかり。 ジェノヴァでは、口の中でとろける名産のフォカッチャを食べないわけにはいかない。 クリストファー・コロンブスの生誕の地である、広大な海の地平線に広がる雄大な港町を探索する 1 日。 その後イタリアを西から東に横断し、歌手、そして弦楽器製作者でもある友人のGiulio Cantore(ジュリオ・カントーレ)が住む、ひっそりとしたフォルリ・チェゼーナ県に到着。 ベルティノーロという中世の村の近くで、まずコンサートを開催する予定だった。

その場所はCantina Fantini (ファンティーニのワインセラー) 。ジュリオの友人で、ワインと美味しいオリーブオイルの生産者である素敵な農家の夫婦、ジャンカルロとモニカの住まいで、魔法のような小さな夜のコンサートを開催した。彼らはなんと絶品のオリーブオイル3L缶をプレゼントしてくれ、僕らはその後数か月間オリーブオイルの香り漂う料理を楽しむことができた。コンサートの夜、僕らはチーズと自家製ピザを食べてささやかなパーティーをした。それから、ジュリオが住む「Casa del Cuculo/カッコウの家」で、彼と3日間を過ごした。芸術文化のための場所で、ジュリオはそこに工房を構えている。綺麗な丘の頂上にポツンと建つ大きな孤立した家で、ジュリオの家族も含めて家族が住んでいる。なんとも親切で気の利く歓迎を受けるこの家で、僕は短期間で曲作りのインスピレーションを見つけられるか不安があったが、ジュリオと一緒にコラボをするために、曲のコード進行を手探りしていた。

音楽の試行錯誤、寒さの中の散歩、酸味のあるタヴェルネッロ(イタリアのテーブルワイン)、イタリア料理初心者の想像を超える絶品パスタのレシピに明け暮れた 3 日間の後、数か月後にこの曲「Vers la Chance/幸運に向かって」となるコード進行のアイディアが見つかった。 それはクリスマスの直前だった。そこで、ジュリオの故郷である愛の溢れるイタリアから、今日に至って、この曲を皆さんにお届けできるのを大変嬉しく思う。